キモセのお茶
台北、永康街。
手頃な値段の美味が楽しめる
ざわめきも楽しい町の一角に、
ひっそりと、その店はありました。
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小茶栽堂。
ちょっと場違いなくらいスタイリッシュな
お茶とスイーツのお店です。
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一歩足を踏み入れると、
早口の中国語で何やら話しかけられ、
首をかしげるこちらを見て
日本人だ、と一瞬かすかに緊張した表情。
いったん奥に引っ込んだ背の高い青年は、
その手に小さな盆とカップを載せて
戻ってきました。
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青年は、
自分の目線よりはるかに下にある
Wisの目を覗き込むようにして、
丁寧にカップを差し出し、
「どうぞ、これは
キモセのお茶です」。
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たどたどしく、
一語一語丁寧に話す日本語に、
思わず彼の顔を見上げて、
目を見ながらゆっくりと、
その言葉を繰り返してしまう。
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「キモセ、ですか?」
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すると、彼は再び生真面目に、
「はい、キモセのお茶です」
と繰り返す。
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キモセ、キモセ、
なんだろう?
どこかで聞いたような気もするけれど、
なつかしいような、異国情緒を感じるような、
と思いながら、
盆からカップを取り上げ、
いただきます、
と言って、飲んでみた。
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華やかな香り、
確かに知っている味、
ああ、これは…。
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